英国滞在3日目。ロンドンから2時間のヘスターコウムへ。建築家エドウィン・ラッチェンスと造園家ガートルード・ジーキルの40年に近く続いた共同作業の円熟期、1906年ごろの庭園。その後所有者が変わり、長い間荒廃していたが、1973年にジーキルの図面が発見され、サマーセット州により丁寧に修復された。
既存の邸館(黒塗り部分)の南には広いヴィクトリアン・テラスと呼ばれる既存のテラスがあり、その先は斜面地で素晴らしい田園の眺望が広がっている。ヴィクトリアン・テラスから石積みの擁壁で一段下がったところにラッチェンスによる対角線の交わるシンメトリカルな幾何学が、その両サイドには水の流れるジーキルの好んだウォーターガーデンが配され、南端にはラッチェンス得意のパーゴラが配される。
そしてテラスの北東はハドリアヌスのヴィラに似た蝶番のようなロトンダによって回転し、オランジェリー、ダッチ・ガーデンのある庭園へと延びる。
全体が斜面なので、既存の邸館への導入部も、階段で導かれる。
スペインのアルハンブラ宮殿を思わせるウォーターガーデン。スペイン旅行から帰ったジーキルがラッチェンスのディ-ナリー・ガーデンズ1901の庭に施したデザインを連想させる。
段差の擁壁のラッチェンスの石積みにジーキルの色彩を考慮した様々な色合いの花々が配される。段差を生かしたロック・ガーデン。
パーゴラ。
ピヴォット丁番役のロトンダ、中央に円形のプール。
もともとはオレンジ栽培のためのオランジェリー。庭園の景観要素として様々な庭園にみられる。
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